薦められたがりのイラストレーター小宮貴一郎が、誰かの好きなものをジャンルを問わずに教えてもらい、それにまつわる事や感想を書いていきます。

【第7回】植村康子さんから「仮面ライダークウガ」

こんにちは。退屈しております。イラストレーターの小宮です。

毎回誰かに好きなモノをお勧めしてもらい、それに関する情報、体験した感想などを書いております。

第7回目はコピーライターの植村康子さんからお勧めしてもらった「仮面ライダークウガ」です。
言うまでもなく大人気シリーズの中の丸々一作分。(今年で44年目!)の全49話。どうやってまとめましょうか。

とりあえず、まずはwikiなどから持ってきた作品の概要を。
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【仮面ライダークウガ】は2000年1月30日から2001年1月21日までテレビ朝日系列で日曜8時〜8時30分に放映された特撮テレビドラマ(全49話)。前作「仮面ライダーBLACK RX」から10年ぶりの仮面ライダーシリーズで「平成仮面ライダーシリーズ」の1作目。

出演:オダギリジョー 葛山信吾 村田和美 葵若菜 きたろう 浦井健治 他
原作 :石ノ森章太郎
脚本:荒川稔久、井上敏樹、きだつよし、村山桂、竹中清
アクション監督 :金田治、山田一善(ジャパンアクションクラブ)
監督:石田秀範、渡辺勝也、長石多可男、鈴村展弘、金田治、小藤浩一
音楽:佐橋俊彦
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シリーズと全49話のボリュームもそうですが、やはりこの手の作品はすでにネット上に膨大なデータがまとめられていて、ややもすると単に一番良くまとめられてるページを写しただけで終わりそうです。「さすが愛されてる」と思うと同時に「困ったな。。」でもあります。

どこから手をつけるか考えていても答えがでないので、先にシリーズの歴史をざっとおさらいしたいと思います。

原作は石ノ森章太郎、テレビ放映の第一作は1971年の「仮面ライダー」からスタートします。
これが大ヒットとなってその後も「仮面ライダーV3」「仮面ライダーX」「仮面ライダーアマゾン」‥etc.とシリーズを重ねてゆきますが、1988年の「仮面ライダーBLACK RX」で一旦10年の中断を挟みます。

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そして10年ぶりの再開となった、今回とりあげる「仮面ライダークウガ」がまたしても大ヒットとなり、以後、現在放送中の「仮面ライダードライブ」まで途切れずにシリーズが続くことになります。
間の10年の中断を境に以前と以後で「昭和ライダー」「平成ライダー」という呼び方がされるようになりますが(ちなみに昭和ライダー最後のRXは平成元年なのでややこしいですが、そういう事になっています)、これは平成ライダーによってそれまでの仮面ライダーのイメージが一新されたことが大きく、石ノ森氏が亡くなってからのシリーズということも重要な節目となっております。

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そんな、中断後の仮面ライダーシリーズに新しい息吹をもたらし、再生させた。と言える作品が平成仮面ライダー第1作(全体では数え方が色々でよくわかりませんが10〜12番目のライダー)「仮面ライダークウガ」です。

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それでは、ここから「クウガ」ついて詳しく始めていこうと思います。
どういう作品だったのでしょうか。

「仮面ライダー」というと、説明するまでも無いですが、正体を隠した主人公が変身し、バイクを操って悪の怪人と戦うという基本構造がございます。
今作もそれは変わらないのですが、スタートから30年経った2000年当時の視聴に耐えうるように、リアリティの精度を大幅に上げてあります。
仮面をつける(変身する)とはどういうことなのか、なぜバイクを使うのか、怪人が人間を襲う目的や社会の反応など、これまで何となく受入れられてきた設定にも必然性や変更しなければならないという判断がされたように感じました。

例えば「バイクを使う」のは主人公、五代雄介が警察と協力体制をとって戦う事から、試作中の白バイを譲り受けるという描写がなされます。
他の代表的な仮面ライダーの設定に「主人公は敵対する組織によって改造手術を施された改造人間であり、組織を裏切って戦う」というものがありますが、五代雄介は、敵組織による改造ではなく、古代遺跡から発掘されたオーパーツのベルトをやむなく装着することによって戦う力を得ます。(これは、医療の発達で臓器移植が珍しくなくなった事から「改造(人間)」への差別的な見方を避けるためのようです)
この設定によって、クウガは「敵組織の裏切り者」では無くなるわけですが、仮面ライダーシリーズ全部に共通する設定というのは意外と少なく、作品に合わせて選ぶように取り入れられたり外されたりするというのが今回調べて解った事です。

ここら辺のポイントは、バイクもベルトも「あくまでそこにあったから使う」のであって、それぞれの必然性は物語の上では用意さてていない事だと思います。
つまり、バイク(だけ)を使うには随分長い距離も移動しますし、古代の遺跡にベルトというのはかなり唐突にも思えるのだけど、それらの設定は守るという事です。

必然性は物語上にはありませんが仮面ライダーというシリーズには大アリで、思いっきりリアリティを高めようとするなら、移動手段がバイクだけなのは不自然ですし、遺跡から発掘される装飾品ならブレスレットでもいいはずですが、それをしないのはこの作品が「仮面ライダー」であるからに他ならず、「リアリティを上げるのだけれど、仮面ライダーとして見せ方を壊し過ぎないようにする」というバランス感覚を細かく感じました。

敵の組織にも同様の配慮がされていて「複数いる怪人が一体の仮面ライダーをなぜ一斉に襲撃しないのか」という本来なら連続ドラマを成立させる為の設定にも、「(敵が行なう)殺戮ゲームのルール上、担当する怪人一体がそれを行なう」という理由が用意されています。この、人間が的のゲームこそ敵組織が人間社会を攻撃する目的であり、これも従来の「世界征服という割に東京の一部ばかりがなぜか襲われる」という疑問の回避であり、(撮影が現実的に不可能な)軍隊では無く警察が対処するギリギリのラインを守る上で用意された設定という事みたいです。

その一方で設定に気合いが入り過ぎていると感じる場面もあり、敵の怪人は「グロンギ」と呼ばれ、独自言語の「グロンギ語」を使うため、全く理解出来ない怪人同士の会話シーンが続く場面が多々あります(途中からぎこちない日本語を話す場面が増えますが)。この言語も法則があって実は解読可能だったりするんですが、現実的にリアルタイムではできません。
敵の組織は比較的自由にできる部分なので「斬新さ」に重きを置いたのかなーと考えます。(観てる時は結構しびれます)

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こういった、たくさんの工夫とバランスで更新された世界観に加えて、共闘する警察や遺跡の文明を研究する協力者たちとのドラマ部分が多いのもクウガの特徴です。
特に五代と一条刑事のバディものという側面が強く、二人のイケメン俳優の関係性に子供と一緒に見てたお母さんがたは大喜びだったようです。
警察の描写が多いのは「平成ガメラ」や「踊る大走査線」などの組織をリアルに描く作品の流れもあり、そうしないと(当時の子供から見ても)子供っぽく見えてしまうという事情が感じられました。

そして、戦いながら変化していくクウガの謎が解明されていく様子もミステリー要素となってストーリー展開に加わっていきます。
こちらは主に大学の研究室の担当で、ここにヒロインの沢渡桜子(村田和美)やフランス人大学院生のジャンが登場し、最初はわからなかった「クウガ」という呼び名や登場する能力など後々判明していきます。

他におなじみの喫茶店で「おやっさん(きたろう)」がコメディリリーフとして登場し、ここでは怪人の登場で混乱する社会の描写も新聞等を通して多く登場します。この辺りは斬新な仮面ライダーに観る側が置いてきぼりにならないような配慮だったのかもしれません。物語の中でクウガの姿も目まぐるしく変わりますし、だいぶ従来の子供向けのヒーローものとは違う印象だったろうなあと思います。
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主人公の五代雄介についてが、まだでした。

25歳。世界を旅する冒険家で、明るく能天気な性格という設定ですが、戦場カメラマンの父親を小学6年生の時に、母親を18歳の時に亡くしているというバックグラウンドを持っています。「2000年までに2000の技を習得する」という目標を持ち(一番目の技は笑顔)、初対面の人間に「夢を追う男・◯◯(数字19〜〜)の技を持つ男」と書いた名刺を渡す場面もよく出てきます。

誰にも優しく、純粋で人懐っこい性格から周りを懐柔する力を持ち、一風変わった行動はその純粋さや子供の様な心の副産物という印象を持ちます。
そういった人物が仮面ライダーとして怪人と戦う事に巻き込まれてしまい、どうしても変わっていかなければならない(=成長)事に答えを見いだしていくというストーリーも主人公を通して描かれていく部分です。
複雑な物語設定なので、子供が感情移入しやすくはあっても、ある意味現実離れした大人である五代は、傷ついたり暴力への葛藤を余儀なくされてしまい、それでも悩みながら信念を曲げずに戦う姿勢を描く所に、この作品を見る子供に向けての誠実さを感じました。

作品全体でちょっと惜しいと感じたのは当時のCG技術がまだ頼りなく、それでもどういうわけか各所で多用されていて、これがそれまでのCG以前の特撮の画面と比べてもちょっとツラい事と、イケメン俳優が多く出るのでそうでないキャラクターも一人くらいいると双方生きるんじゃないかなあと思った事などです。

でもこれも時代性や需要ありきの事ですし、結果、大成功してますので惜しいもなにも無いのかもしれません。僕が育った昭和のドラマは三枚目がよく出てたんです。(最近の韓国映画とかでもよく見ますけどね。好きですけどね!そういうの!)
ちなみに、比べるためにちょっとだけ観た今の仮面ライダーのCGはもの凄かったです。トランスフォーマーみたいでした。

今回「クウガ」を全話通して観た事で、その後の流れを決めた作品の偉大さを感じましたし、それがそれ以前と現在との繋ぎの役割を持っている事もよく見えました。ボリューム的に書くのがとても難しかったですが、以上で「仮面ライダー クウガ」の回を終わります。

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(オマケ)調べてる中で2001年の「仮面ライダークウガ 特別篇」発売記念イベントトークショーの動画を見つけたので貼っておきます。
これ、当時の人気ぶりがよくわかって面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=Ue1lF1DBNbw

 

次回はパハプスギャラリーの北島真由美さんから「サリ麺」です。

 

 

 


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